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インタビュー #08 アセットマネジメント【権利調整/提案型売却】《旧共同ビル(新青山)》東京都港区南青山五丁目〜1967年1月竣工/2010年売却 2016.10.10

Q. この物件が企画された頃の時代背景は?
リーマンショック直後で世界的金融不安となり、世界的な株価下落、世界同時不況の深刻化へ向かう09年当時。先行き不透明感の中で、世界有数のグローバルファンド(ファンド規模約1兆円)とはいえ、キャピタルコールが出来ない状況でした。
09年は、国内も実質GDP成長率が前年に続きマイナス5.5%、東京都の地価も07年対比マイナス33.0%で、不動産取引も低調でした。
Q. この物件のコンセプトは?
リーマンショック前までは潤沢な予算で借家人交渉をしていたが、ファンドに資金はなく以降は追加出資が得られず、それでも店舗や事務所の借家人退去を見越した土地の潜在価値が高い物件と判断して、建替後の収益不動産の優位性を説明することで売却するビジネスプランを実行致しました。
Q. この物件が当時、画期的だった点は?
旧耐震建物で違法物件、小口借家人多数、低稼働率で低収益、老朽化による設備不良多数で、収益物件としては売却困難であったものを、土地積算価格以上の値段で売り切ったこと。また立退き交渉を自ら行ったことで、買主に交渉経緯や現状を十分にご理解いただき居抜きでありながら売却出来たことは評価に値するものでした。
Q. この物件で苦労した点、問題になった点は?
ファンド満了期日までに、然るべき価格以上で売却を確定すること。
そのためのビジネスプランは、立退き費用がなくても30数件の店舗や事務所の借家人の明渡日を決定することでした。
Q. その問題を解決した方法は?
各借家人と交渉のうえ定期借家契約を締結し、明渡日までの賃料を免除することで立退き費用と相殺することを基本戦術とし、それでも足りない分は売買価格で調整する前提で、売却先への交渉を並行して実践しました。
以上です。
ご多忙のところ、ご協力ありがとうございます。
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