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インタビュー #04 ファンドマネジメント【建替型オフィスビル開発】《T3 GATESビル》 東京都港区虎ノ門三丁目〜1976年8月竣工/2006年11月建替竣工 2016.10.10
Q. この物件が企画された頃の時代背景は?
いざなみ景気により、不良債権問題の処理も進展し、世界経済の回復に合わせて輸出が増加し設備投資も伸びて消費の回復につながり、裾野の広い景気拡大となる04年に物件取得。都心部では地価が上昇に転じた頃でした。
オフィスの「2003年問題」は、結果として都心五区で137万坪の募集面積に対して87万坪の成約で在庫が50万坪で04年を迎えました。いづれも過去史上最高面積でした。都心五区の空室率は8%前半、港区は9%半ば。オフィス賃貸業としてはまだまだ予断は許さない環境でした。
Q. この物件のコンセプトは?
物件仕入環境が厳しくなる中、ひとつの物件のステイタスを変化させることで、3つの目論見の違うファンドに順次売却する「輪廻転生」案件としてチャレンジすることにしました。
第1ファンドとしては、旧耐震設計建物やテナント70%が1年後退去を理由に高利回りで取得し、残30%を短期間で定期借家契約にまき直し、一定期間を収益目的で運用します。
第2ファンドとしては、高容積率かつ高有効率なオフィスビルに建替することで土地建物ポテンシャルを最大化して、開発期間中のキャピタルゲインを狙った運用です。
第3ファンドとしては、完成した新築収益ビルを取得してインカムゲインを享受する長期運用を行いました。
Q. この物件が当時、画期的だった点は?
フィービジネスを生業とするファンド会社として、また物件取得競争が激化するマーケット環境で、同一物件で三度のオプション報酬獲得の機会を自ら創出することが出来ました。
Q. この物件で苦労した点、問題になった点は?
ファンド間売買だったので、その時点での価格の妥当性をそれぞれの投資家にご理解いただくことは当然のことでした。
Q. その問題を解決した方法は?
右肩上がりのマーケットで時間差を活用して、各時期に各ファンドにおいて、投資目的や配当水準の異なる投資家をアレンジ出来たこと。また、店舗や事務所の借家人立退きや既存建物解体や新築といったコスト面やスケジュール面で流動的な要因を、当初想定以上に効率良く遂行出来たことが勝因です。
以上です。
ご多忙のところ、ご協力ありがとうございます。
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