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ブログ 葉月 令和三年〜富嶽三十六景 葛飾北斎『北斎づくし』展を観て 2021.08.25

葉月 令和三年〜富嶽三十六景 葛飾北斎『北斎づくし』展を観て 『富嶽三十六景』とは、葛飾北斎が江戸時代後期に富士を描いた浮世絵版画の名作。奇抜な構図や鮮烈な色彩で日本人を魅了し、世界の芸術家たちにも大きな影響を与え日本絵画を代表する作品。題名の通りまずは36点を刊行するが売れ行きが好調だったようで、さらに10点が追加され実は全部で46点で北斎作品の中でも最も点数の多い錦絵の揃物となった。

   
今夏に約2ヶ月、北斎生誕260年を記念して東京ミッドタウン・ホールで「北斎づくし」と称して、代表作の「富嶽三十六景」以外の作品も合わせての展示であった。驚きなのは「富嶽」を作り始めたのが70歳を過ぎてからだということ。同時期の歌川広重が62歳、歌川国芳が65歳で病死したことを踏まえると、「富嶽」の完成は奇跡である。ただ、それまでの作風は風景画もあるものの感性的には暗く、また人物像も多くあるがあまり華のあるものではなかった。

それに対して「富嶽」は、構図や色彩が巧みで様々な地点から富士山の姿を捉えている。東は常陸国(茨城県)から西は尾張国(愛知県西部)まで、地点を特定出来ない3点を除き、現在の行政区で1都7県にまたがる。刊行時期は大きく5グループに分かれるが、「富嶽」の中でもとりわけ有名な通称「赤富士」や「浪裏」は最初期グループ10点の作品。
せっかくなので、この機会に2点を購入した。「富嶽」なので富士山が出来る限り大きくかつ表情の違うものを選定した。また季節感や色彩、構図としての山、海、川との組み合わせ、点景である人物や雲、空、建物などの有無も合わせて考慮した。46点もあると選ぶのに流石に迷った。

 
『甲州犬目峠』〜山梨県上野原市犬目〜 甲州街道の犬目宿から桂川沿いの下鳥沢宿へと下る途中の峠を描いたとされる。現在では具体的な場所は不明であるが、中央自動車道談合坂SA近くの大野展望台付近と推測した。裾野から頂上に向けて大らかに悠然とした富士が描かれているが、実際は近景の山も含めて構図的に創造力を働かせたようだ。山の緑の鮮やかさとの対比で渓谷から昇る雲や空は美しく、和紙の肌を活かし柔らかく表現されている。「富嶽」の中でも最初期の作品10点の内の一つ。
署名:北斎改為一筆 所蔵:The Metropolitan Museum of Art

 
『相州七里浜』〜神奈川県鎌倉市稲村ケ崎〜 入道雲が遠景の空にあるように夏の相模湾、七里ヶ浜越しに見た富士。こちらも左端に見えるはずの江ノ島を構図上デフォルメしたようだ。「富嶽」の中でも藍一色の濃淡で描き上げた藍摺3点の内の一つ。また人物も描かれておらず北斎にしては珍しい純風景画。『甲州犬目峠』が刊行された最初期グループの次に刊行された作品10点の内の一つ。
署名:前北斎為一芼 印=極・永寿堂 所蔵:すみだ北斎美術館

今回の上記2点の版画購入に際し、アダチ版画研究所の販売員さん、その方から紹介された北斎「富嶽三十六景」日野原健司編(岩波文庫)のおかげで、これだけ有名な作品の奥深さを知ることが出来たことは、今更ではあるが日本人として大変有意義であった。今年の夏休みの宿題として…。今後は違う富士の描かれ方、違う季節感、違う構図のものを買い足していきたい。


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