私がプロデュースした過去の不動産事業についてテーマごとに
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インタビューPICKUP #02 地方活性化【戸建住宅団地開発】《東急スクエア彩が丘》 広島県広島市佐伯区河内南一丁目〜1992年3月(第1期)竣工以降継続供給 2016.10.10
Q. この物件が企画された頃の時代背景は?
72年田中角栄内閣時の日本列島改造論で全国にデベロッパーが土地を買い漁った時代の産物で、当社もご多分に漏れずにバブル前まで塩漬けにされた山だった物件。これを東京でバブルに火がついた頃に「それ行け」とばかりに大規模造成工事に着手し完成宅地が1500区画も出来た頃にはバブルは崩壊していました。そして、91年に赴任した私は地方都市の長く厳しい低迷期の始まりと時を同じくして三年間、広島で良い経験をさせていただきました。なお、90年に不動産総量規制は解除されたものの、東京本社の当社は地方都市に開発資金を回す余裕はなかったようでした。また、当時の広島を含む中四国地方では「東急グループ」の知名度は低く、東急インのブランドでビジネスホテルが1件ある程度でした。
Q. この物件のコンセプトは?
広島市中心部から北西にバスで30分ほどの丘陵地。
「自然との共生」をテーマとした外構植栽を充実させ、空間を立体的に有効利用した小屋裏収納やロフトにより「m2」ではなく「m3」の価値観を提供して、「広島にない住宅」を創りたかったのです。また、その驚嘆によって「東急グループ」の認知度を高めることを目指したのでした。
Q. この物件が当時、画期的だった点は?
開発団地の中央には、造成工事で算出した大きな自然石を護岸に配したせせらぎ公園を創出し、川の清流とサワガニにふれあう場を公園内に提供しました。結果として、たくさんの方々に評価いただき「第1回広島市優秀住宅団地」に認定していただきました。
Q. この物件で苦労した点、問題になった点は?
造成工事代を支払うことを躊躇した当社は、ゼネコン2社に対し完成宅地による代物弁済とし、それによって土地所有者は5社となりました。ここからゼネコン2社は一気にハウスメーカーやデベロッパーに土地を卸し、20社を超える事業者が一斉に販売を開始して供給過剰となり、1年後には広島市有数の「値引き合戦団地」となってしまいました。
Q. その問題を解決した方法は?
徹底的に広島都市圏の先行分譲建売住宅の顧客指向性を分析し、また当時他の政令指定都市で建売事業を展開していたので比較検証し、独自の広島スタイルを洋風屋根勾配と外構植栽を充実させた街並み形成を図ることで差別化いたしました。結果として、団地内では唯一連続早期完売を継続出来ました。また、「広島市グリーンフロント住宅」も認定していただきました。
以上です。
ご多忙のところ、ご協力ありがとうございます。
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