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インタビューPICKUP #01 土地有効活用【賃貸マンション開発】東京都港区南青山五丁目〜 1991年3月竣工 2016.10.10

#01 土地有効活用【賃貸マンション開発】東京都港区南青山五丁目〜 1991年3月竣工

Q. この物件が企画された頃の時代背景は?

実質GDP成長率が60年代後半のいざなぎ景気に迫る7%を超え(88年)、日経平均株価は38,957円の史上最高値を記録し(89年)、着工面積は73年の列島改造ブームを上回る2.8億m2(同年)で、東京一極集中により地価がピークを迎える、正に「平成バブル」絶頂期の89年に企画がスタート。急激な地価高騰により、法人は保有税対策、個人は相続税対策に躍起となって土地有効活用全盛の頃でした。

Q. この物件のコンセプトは?

表参道駅からほど近いブランド立地であり、如何に永続的に高賃料が取れる収益物件を創造出来るかに腐心しました。単純な店舗付き住宅ではなく、住宅部分は都心型DINKSやSOHO(当時はまだその言葉すら浸透していなかった頃)をターゲットとしたリトリートに、好感度な物販や飲食店舗をミックスした建物計画を企画しました。

Q. この物件が当時、画期的だった点は?

信託銀行から当社(当時は東急不動産)デベロッパーとしての総合企画力とサブリース力を期待されて情報をいただき、それに応えることで開発出来たことが一番かと思います。
また、敷地分割することによる効用は、相続税上の評価額が軽減されたことはもちろんですが、建物を構成する上で店舗面積を二倍配置出来たことで収益性は向上したことです。さらには、建物外観として住宅につきもののバルコニーの印象を軽減するべく、当時としては珍しいダブルスキン手法でマンションらしくないスタイリッシュな佇まいに仕上げることで四半世紀経過した現在でも陳腐化していないことですかね。

Q. この物件で苦労した点、問題になった点は?

都心に敷地500坪を所有されていた個人の相続対策から始まった案件で、単純計算でも数十億円の相続税がかかる土地でした。
まずは、「小規模住宅用地」の軽減特例の利用や「一筆評価」の原則により、土地を2分割し各々に建物を建設することで、ダブルで土地評価額を下げることとしました。また、万が一の場合に備え二棟のうちの一方を売却することで相続税が賄えるだけの土地面積を計算いたしました。ただし、敷地分割線の設定には苦労がありました。

Q. その問題を解決した方法は?

本来は敷地分割線にはフェンス等での仕切りが必要でありますが、一体感が損なわれるため、分割ゾーンに二棟の人車アプローチ通路を設けることで隣棟間隔を確保し、限られた敷地に対して有効な配棟が出来ました。設計者と行政の方々のご理解とご協力に依ることが大きかったと思います。

以上です。
ご多忙のところ、ご協力ありがとうございます。

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アトランテ株式会社→http://www.atlante.co.jp

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